ペットフード事件簿

ペットフードに含まれる有害重金属(ミネラル類)の調査



ペットフードの危険性の1つ、過剰摂取と有害成分の問題について。
 
多くのペットフードにはビタミン、ミネラル類が入っています。
ビタミン・ミネラル類は、製造過程で添加するものが多くあり、均等に混ざらずに成分が偏った製品が存在するという指摘があります。
他にも、原材料に紛れ込んでいる有害な残留成分の問題もあります。
 
2011年に分析を専門とする会社がペットフードをランダムに選び、含まれるミネラル類(無機汚染物質)の量を公表しました。
低価格のフード、プレミアムフード関係なく、含有量のばらつきや、危険な高濃度の数値が出ています。


  1. 調査内容について
  2. 分析結果
  3. 検査結果の数値について
  4. ドッグフードの結果を人間用の許容量と比較
  5. キャットフードの結果を人間用の許容量と比較
  6. 検査結果のまとめ

調査内容について

調査時期:2011年2月
調査会社SPEX CertiPrep
調査内容:ペットフードに含まれる無機汚染物質(ミネラルなどの金属含有量)
 
SPEX CertiPrep社による発表資料
Download Slides from our Trace Metals in Pet Food Webinar

結果はオンラインセミナーという形で、PDFYouTubeで公開されています。


残念ながらこの検査ではブランド名が伏せられているため、特定することはできません。
分析結果を公表しているだけで、この結果を基に何かアクションが起こされている訳ではないです。
それでもこの調査では、ペットフードの問題点が良く分かる結果が出ています。
 
※以下は SPEX CertiPrep社発表資料(PDF) からの抜粋になります。
 (成分表の画像は、PDFのデータに日本語を付け足しました)

分析結果  (PDF P18)

検査対象
ランダムに選んだペットフード58ブランドに含まれる金属量
ドライフード: 31ブランド
(ドッグフード18、キャットフード13)
ウェットフード: 27 ブランド
(ドッグフード13、キャットフード14)
その他
比較のための缶製品(人間用) (イワシ、マグロ、チキン)
    
▼結果(Macro Elements) (PDF P23)
検査対象の中から、最小値と最大値の比較。(単位ppm)



亜鉛で299ppmという高いレベルが検出されています。
 
 
▼結果(Toxic Trace Elements) (PDF P25)
検査対象の中から、最小値と最大値の比較。(単位ppb)


 
鉛で高い数値が検出されています。
毒性の高い物質は、人間用缶詰よりペットフードの方に高い傾向がありました。

検査結果の数値について (PDF P29~)

犬と猫のための信頼できる金属摂取量の基準値はありません。
そのままでは検査結果が有害なのか判りにくいため、人間の基準値で使われるEPAWHOのガイドラインを使用して比較する方法を取りました。
 
EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)による1日の摂取基準(RfD)
WHO(世界保健機関)による1日の摂取基準(TDI)
 
検査したペットフードを人間の1人前の分量に変換し、摂取許容量を比較
 
ドライドッグフード = 5カップ = 500グラム
ウェットドッグフード = 1lg缶 = 375グラム
ドライキャットフード = 1カップ = 100グラム
ウェットキャットフー ド= 1lg缶 = 175グラム
 
平均体重 猫10ポンド(約4.5Kg)、 犬50ポンド(約22.5Kg) での1食あたりのフードの数値が
EPAとWHOの基準値の何倍にあたるかを算出。

ドッグフードの結果を人間用の許容量と比較

▼ドライフード 18製品の比較 ※クリックで拡大 (PDF P32)

 

▼ウェットフード 13製品の比較 ※クリックで拡大 (PDF P32)

キャットフードの結果を人間用の許容量と比較

▼ドライフード 12製品の比較 ※クリックで拡大 (PDF P37)

RfDのガイドラインの置き換えると、ウェットフードよりも高い数値が出ている。


▼ウェットフード 14製品の比較 ※クリックで拡大 (PDF P40)

検査結果のまとめ (PDF P41~42)

ドッグフードとキャットフードの違いはあるか?
魚が原材料の場合、水銀の値は高いか? ウェットフードとドライフードに違いはあるか?
製品の価格帯(原材料の品質)が有毒金属のレベルに影響があるか?
どのように良いフードを見つけたらいいか?

最後に

以上が発表された資料の抜粋になります。
 
58製品をランダムに調べただけで、これだけ数値にばらつきがでました。
 
ブランド名は不明ながら、最後のまとめの部分で、毒性が高いものとフードの格付けに関連は見られず、どの製品からも見つかったとされています。
プレミアムフードであっても、例外ではないということです。
 
成分の詳細な内容まで規制のないペットフードの深刻な問題点です。



犬と猫に危険な物

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